『画竜点睛』書き下し文・現代語訳・意味・解説|テスト予想問題付き

目次
  1. 書き下し文・現代語訳・解説
  2. 「画竜点睛」の意味
  3. テスト予想問題

『画竜点睛』の書き下し文・現代語訳・句法・故事成語の意味を解説します。

画竜点睛…竜の絵に最後にひとみを描き入れることから、物事を完成させるための最後の大切な仕上げを意味する故事成語。

現在は「画竜点睛を欠く」という形で、最後の肝心な仕上げが足りないという意味で使われることが多い。

書き下し文・現代語訳・解説

張僧繇、呉中人也。

張僧繇ちやうそうえうは、呉中の人なり。

張僧繇は、呉中の人である。

武帝崇飾仏寺、多命僧繇画之。

武帝仏寺を崇飾するに、多く僧繇に命じて之に画ゑがかしむ。

武帝は仏教の寺を立派に飾る際に、多くの場合、張僧繇に命じて寺に絵を描かせた。

・武帝…張僧繇が仕えた梁の皇帝。

命A B「Aに命じてBしむ。」

意味:Aに命令してBさせる。

「しむ」と使役の助動詞を補って書き下すのがポイント。

金陵安楽寺四白竜、不点眼睛。

金陵の安楽寺の四白竜は、眼睛を点ぜず。

金陵の安楽寺に描かれた四匹の白い竜の絵には、ひとみが描き入れられていなかった。

・点…描く、描き入れる。

・眼睛…ひとみ。

毎云、「点睛即飛去。」

毎に云ふ、「睛を点ぜば即ち飛び去らん。」と。

張僧繇はいつも、「ひとみを描き入れたならば、すぐに飛び去ってしまうだろう。」と言っていた。

・毎「つねニ」…いつも。

・即「すなはチ」…すぐに、たちまち。

○張僧繇がひとみを描かなかったのは、未完成だったからではなく、ひとみを描くと竜が飛び去ってしまうと考えていたから。

人以為妄誕、固請点之。

人以て妄誕と為し、固く請ひて之を点ぜしむ。

人々はそれをでたらめだと思い、強く張僧繇に頼んで、ひとみを描き入れさせた。

以A為B「Aを以てBと為す」

意味:AをBだと思う、AをBとみなす。

「以為B」の形では「以てBと為す」と読み、Bだと思う・Bだとみなすという意味。「以為おもへらくB」と読む場合もある。

・妄誕…でたらめ。

○人々は、「ひとみを描けば竜が飛び去る」という張僧繇の言葉を信じなかった。

・固く請ふ…強く頼む。

須臾雷電破壁、両竜乗雲、騰去上天。

須臾しゅゆにして雷電壁を破り、両竜雲に乗り、騰去して天に上る。

たちまち雷が起こって壁を突き破り、二匹の竜は雲に乗って勢いよく飛び去り、天へ昇っていった。

・須臾「須臾にして」…たちまち、ほんの短い時間。

・騰去…勢いよく飛び去る、躍り上がる。

○人々が強く頼んでひとみを描かせると、張僧繇の言ったとおり、本当に二匹の竜が天へ飛び去った。

二竜未点眼者、見在。

二竜の未だ眼を点ぜざる者は、見に在り。

残りの二匹の竜で、まだひとみを描き入れていないものは、現在も残っている。

未:再読文字「未だ~ず」=まだ~ない

・見在…現存する。「見」は「現」と同じ意味。

「画竜点睛」の意味

画竜点睛=物事を完成させるための、最後の大切な仕上げ。

画竜点睛を欠く=ほとんど完成しているのに、最後の肝心な仕上げが足りない。

テスト予想問題

問1 「即」「須臾」「毎」の読みを答えよ。
答 即=すなはち、須臾=しゅゆ(にして)、毎=つねに。
問2 「即」「須臾」の意味を答えよ。
答 即=すぐに・たちまち。須臾=たちまち・ほんの短い時間。
問3 「多命僧繇画之」を書き下し、現代語訳せよ。
答 書き下し:多く僧繇に命じて之に画かしむ。
現代語訳:多くの場合、張僧繇に命じて寺に絵を描かせた。
問4 「二竜未点眼者、見在」を書き下し、現代語訳せよ。
答 書き下し:二竜の未だ眼を点ぜざる者は、見に在り。
現代語訳:残りの二匹の竜で、まだひとみを描き入れていないものは、現在も残っている。
問5 故事成語「画竜点睛」の意味を答えよ。
答 物事を完成させるための最後の大切な仕上げ。
問6 「画竜点睛を欠く」とはどのような意味か。
答 最後の肝心な仕上げが足りないこと。
問7 「画竜点睛」とほぼ反対の意味を持つ故事成語を答えよ。
答 「蛇足」。必要のないものを余計に付け加えるという意味。